2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカのやり方にアメリカのやり方で対抗しちゃマズいよね

とまーそんな話はさておき,今回はこの国が本気で物量作戦を展開してきたときの恐ろしさを目の当たりにしました.本当に,アメリカがサイエンスに注ぎ込む予算の額って日本とは桁違いなんだよね.例えば世界を騒がせた山中教授のiPS細胞の研究に日本は精いっ…

トウモロコシゲノム vs. イネゲノム

2週間ほど前にトウモロコシゲノムの全塩基配列がリリースされました.解読は去年終わってたんだけど,その後の解析が完了して,データベースが一般に公開されるようになったってことなんですが.で,一斉に刊行された一連の論文をここ最近ずーっと追っかけて…

月曜日

応募していたポストの書類選考通ったどー!というわけで面接のため,急遽日本に帰ります.12月17日〜1月17日まで.ちなみに,アメリカだとこういう場合,旅費は面接する側が払うのが当たり前なんだけど,日本は応募者本人の自腹が当たり前です.そういう状況…

やっぱりルサンチマン

にしても,仕分けに対する反応たるや戦々恐々ですな.そしてやっぱりブログ界隈はルサンチマンのるつぼと化しているわけで. んでも,ニーチェのツァラトストラじゃないけども...「目先に利益なんかより,未来のために科学研究が必要なんだろ」と言うなら…

月曜日

よーやく風邪から立ち直ったようである.にしても,日本の科学予算はざっくり削られそーである.ま,サイエンスなんてもんは基本的にはロマンを追いかけるよーなもので,何かの役に立てようなんて世間ずれた目的のためにやるもんじゃないからね.ロマンなん…

進化ってさぁ

生物の進化について,多くの人は因果関係を逆にして捉えちゃってるんだよね.例えば「キリンのクビが長いのは,高い木の葉っぱを食べるためなんですよー」というような.でも,別にキリンは最初から木の葉を食べたかったわけではないし,食べようと努力して…

考察

以上のことから,転移因子mPingの活発な転移は,イネ品種銀坊主の遺伝子を破壊するのではなく,むしろ新たなcis因子をプロモーターへ付与し,多数の遺伝子の発現量および発現パターンを変化させていることが明らかとなった.これは,これまで考えられていた…

木曜日

最近ボスがご機嫌斜め.とばっちり喰らいまくり.やれやれ.

実験3

そこで,ある遺伝子座において,プロモーター領域にmPingが挿入したものをもつ系統と,そうでない系統を用い,系統間でその遺伝子のストレス応答性に違いがあるかどうかを比較した.例えばOs01g0299700遺伝子座においては,日本晴(NB)と銀坊主3系統(EG4,…

それは本当に善人?

「自分さえよければそれでいい」という人間も好きではないが,「自分が凹んでいる時でも,他人の幸せを願うことのできる人間になりたい」という考え方も,僕はあまり好きではない.理由は以下に記す通りである. 自分よりも他人のことを優先しようとする人に…

水曜日

多忙の中,久々に髪を刈って風邪をひく.がっくり.

実験2と実験3

次に,銀坊主においてmPingが近傍に転移した遺伝子(図3a)について,通常条件下における遺伝子の発現強度を調査してみると,上流部にmPingが挿入した遺伝子の20%以上において,発現強度が増幅されていた(図3b). この結果から,mPingの内部配列には,近接…

木曜日

論文20を一気読み.疲れたけれども新しい世界に向けての視野が開けた(大袈裟 でも実際,これで共著で書いてる論文の位置づけや意味は完全に把握できたぜ.思ってた以上に面白い論文になりそうぢゃ☆

水曜日

共著で書いてる論文,解析手法には全く馴染みがないので主に英語を担当しているのだが,いやはや,馴染みのない分野だけに結構苦労する.結局似たような分野の論文をダウンロードして読みまくるハメになりそーである.ま,これも良い成長の機会だべ. ちなみ…

問題点と実験その1

しかしながら,今現在大規模に転移を起こしている転移因子がこれまで見出されていなかったために,転移因子による生物の適応進化への貢献度については検証のしようがなく,上記の議論には未だに決着が付いてはいない. そこで,我々は内在性転移因子mPingが…

火曜日

とりあえず申請書を一つ書き切った.よっし.しかしまだやることは沢山あるんだよなーやれやれ.

学術的背景2

昨日の続き.一方,近年では生物の進化においてはタンパク質をコードしている遺伝子そのものが変化することよりも,いつどこでどの遺伝子が発現するか,つまり遺伝子がON/OFFになるタイミングが変化していくことの方がより重要な役割を演じてきたとする考え…

月曜日

共著で書いてる論文もあったりしてなお忙しい.やれやれ.

僕の研究に関する学術的背景

生物の遺伝情報はDNAが直鎖上に結合した巨大分子であるゲノムに記録されているが,それは基本的にA,T,G,Cの四種類の文字配列を組み合わせた暗号コードである.したがって,生物の適応進化には必然的にこの暗号コードの書き換えが伴うことになる. …

日曜日

就職活動に忙しいこの頃.特に今書いてるやつは,評価者に分野外の人が多いし...というわけで,なるべくヨソの人にも分かるように研究背景を説明出来るような文章を書いて見た.京都新聞の記事に対するリベンジも込めて,おヒマなら読んでね.