大家さん

俺のアパートの大家さん,スウィンデル夫人は92歳.年齢には関係なく車を乗り回し,いくつもの物件を一人で切り盛りしている,金さん銀さんもマッサオ(古い…)のストロングばーさんである.初めて会ったときはその元気ぶりに感心したものだが,しかし92歳は92歳,年齢というものはやはり深刻なのである.
アメリカで運転免許を取得するには,自分がその州の住人であることを証明するものが要る.つまり,俺にはアパートの契約書が必要なわけなんだが,コレが待てど暮らせど届かない.こりゃいかんというわけで先日その大家さんに電話をしたんである.
「ねえ,ちょっとさぁ〜,俺の契約書ってどうなってんの?」
と懇切丁寧に聞いてみたところ,
「昨日手紙で送ったから明日には届くんだわさ」
「おお,それはそれは.ありがとうございますです」
ところがどっこいしょ.
翌日どころか三日経っても俺の郵便受けには風の便りも虫の知らせも遣って来ない.
「おいおいフザけんなよ,テメーこのヤロウ,手紙で送ったつったじゃねーかよ!?」
などと英語で言えるわけがないが,とにかくもう一度電話すと,
「今日そっちのアパートに持って行くからあなたも来なさい」
ズコ.三日前に言ってたことと一致するトコがありましぇん.降参です,コウサーン.
・・・
まあとにもかくにも,ついにアパートの契約書をゲット!これでようやくドライバーズライセンスを取りに行くことが出来るのである.