学生

韓国にいる友人の日韓比較論を読んでたら,ピーンときたので俺も数日前の日本とアメリカの研究室の違い,をもう少し掘り下げてみたのである.
結局研究室における雰囲気や資金力の差を作り出している最も大きな原因は学生の将来に対する態度のような気がする.限られた資源の効率的利用,などという言葉とは全く縁のない生活をしているアメリカ人だが,人生の時間というものだけは無駄にしたくないようである.
ここにいる学生は全員博士号を獲得するつもりでいる.のに対して,日本の我が研究室の博士課程進学率は10%程でしかない.修士課程を修了していく学生の就職先は,彼らの実験テーマとは程遠いところが多い.研究で食っていこうという意識も低いので実験は中途半端,折角の研究費もまともな成果を生むことなく,単なる無駄遣いに終わってしまうのである.
アメリカの学生は将来どんな仕事をするか,という視点から始まって,その仕事に必要な専門的知識やスキルを身に付けるために大学あるいは大学院に来ている.日本の学生は・・・大抵就職活動の時期が迫ってから,どんな仕事をしたいのか考え始めるようである.何のために大学の専攻を勉強してきたのかはどうでも良い感じである.
つまり,アメリカ人は自分の人生は自分で選ぶ,という意識が強く,日本人はやはり自分の選択を他人任せにしがちなのだろう.いわゆる,言われたことをやるってヤツである.
こういう書き方をしているといかにも俺がアメリカ好きのような印象を与えるかもしれないが,あくまで上記の部分に関してはアメリカの方が良くて日本の方がダメだということである.食いすぎて太った,とマクドナルドを訴えたりするところなんかは大嫌いである.