続々・教育議論

id:KEN_NAITO:20040811の続き.とりあえず今回はヲサミンゴの

「教育現場が変わっただけで、社会での勝ちパターンが変わってないところです」

という部分に反論しておきたい.勉強して,いい大学に入って,いい企業に入社する.…というのは,一昔前までは確かに勝ちパターンだっただろうなあ.終身雇用制度が給料を払い,税金や保険まで面倒を見てくれるうえに,退職金まで貰えるので老後の生活の心配すらする必要がなかったもん.
確かに今でも,企業への就職を考えるなら一流大学を出ている方が明らかに有利である.でも,ねえ…? 仮に一流大学を出て一流企業に就職出来たからといって,安定した生活が保障されるワケではなくなっているのではないですかい? 東大出のオジサンがリストラされる,企業は社員全員分の退職金をストック出来ていないetc...ソニー神話も崩れちゃったし.個人が企業に庇護される時代は終わりつつあるのではありませんかコレ?
世の中そういう風に変わってきてるのに,子供に受験勉強をさせようと必死になってる親が未だに根強くいる.沢山いる.ジュクコーやカテキョーをやってて,そこら辺はヒジョーにもどかしかった.勉強なんか出来んでもええやないですか.もっと好きなコトさせてやりましょうよ.生徒の親に向かって何度そう言ったか分からない*1
ちなみにワタクシの友人・知人には「大学を出て企業へ就職する」というレールから外れた道を歩んでいる人が結構いる.大学は出たけど就職活動はせず,イチから有機農家を始めたシト.カフェのオーナー&店員.ジャズバーのマスター.その他諸々.収入は不安定で将来への不安はある.ワタクシなんかが想像もツカナイような苦労もしておられるにチガイナイ.でも,皆とても楽しそうである.だって好きなコトやってるんだもん.楽しくナイわけがナイ.
逆に,大企業や銀行に就職した友人からは,「仕事つまんねえ〜」というハナシがちらほら聞こえてくる.モチロン収入に関して言えば,リストラや減給の可能性はあっても,彼らの方が遥かに安定しているだろう.
では,どっちが勝ち組ですか?「仕事」という,基本的に人生の大部分を費やさなければならないモノを「楽しんでいる人」と,生活のための収入が「安定している人」と.
それこそ個人の価値観の問題ですよネ?だったら,個人個人が自分の価値観に従って,自分の人生を決めればヨイというコトになりませんか.世の中にはあんな生き方やこんな生き方があって,君らがどんな道を選択しようが全然悪いことはナイんだヨ.モチロン今決める必要はないけれど,この先自分の将来を考えるようになったら,ココで習ったコトを思い出してくださいネ.そーゆーコトを子供に教えられれば十分じゃないかなあ?
で,マス=メディアには全く取り上げられてない(日本のマスコミってホント悲惨)けど,ゆとり教育の時間をうまく使って,ちゃんとそーゆーコト教えてる学校もあるんですヨ実際には.そんな事実を知ってほしくて,前に「教育の崩壊という嘘」という本を紹介してみたんですが.ま,多分,誰も読んでくれないんだろうなあ.

それからトシヲへ.ゆとり教育の改革を推し進めたシトは教育現場からの叩き上げで旧文部省に入ったシトです.

*1:いや,そりゃお金もらってるから勉強は教えてたけど,生徒が好きそうな分野の雑誌を買っていって,こーゆー道もあるんだぜ,とか言っていろんな話をしてみたもんである.モチロン当たり外れはあったけど