久しぶりに書く.でもって今回は,久しぶりに「この国」について書く.
車から降りて初めて,ワタクシはソコがスラムであるコトを知った.だから駐車料金が一日中停めててもたった2ドルだったワケなんだが,その光景にワタクシは愕然としたんである.
ダレもいない…
レンガ造りの建物が並ぶ街並みには,日曜の午後だというのにまるで人影がない.建物も半ば崩れたり,屋根がまるでなくなっていたり….まるで攻め滅ぼされた廃墟のようだった.
Is this really the biggest city in the South U.S?
「心配イラナイあらぶ.ダウンタウンまで歩いてスグあらぶ」
そういってカリールは歩き出す.ワタクシは辺りを見回しながらついて行く.昔は店の立ち並ぶ一角だったのだろう.建物のドアや窓には傾いた看板が並んでいる.
ワレワレが歩いている方向から1人の黒人が歩いて来る.白いTシャツにジーンズを穿いているが,どちらもわけの分からない汚れ方をしている.そして精神病患者のような歩き方.
ワレワレの前まで来ると,彼は足を止めて話しかけてきた.カリールは最初から相手にしようとしない.そのまま歩いていく.ワタクシも歩く.だがワタクシは,すれ違い様に彼の顔を見て,ショックを受けていた.
…若い…
まだ二十歳くらいである.彼は間違いなくワレワレに話しかけているのだが,その目はドコを見ているのか分からず,何を言っているのかも全く分からなかった.だが一瞬見ただけの彼の顔は,一生忘れられないような気がした.
それから更に5分も歩くと,崩れた建物の影から,議事堂のような絢爛な建物が見えてくる.
アトランタシティホールあらぶ」
そしてワレワレが歩いている道と,シティホールの前を横切る道との交差点で曲がったとき,ワタクシは目を自分の疑った.
先ほどまで歩いていた廃墟のような街並みが,一瞬にして街路樹の並ぶモダンな通りに変化してしまったのである.ワタクシはだんだん自分の足が地に付いているのか分からなくなってきた.…続く