昨日の続きと言いつつ,少し話がそれる

2002年現在のハナシであるが,世界人口約63億人のウチ,標準的なカロリーを摂取できない,つまり飢餓状態にある人の数は約8億8800万人とゆー憶えやすい数字であった.今は世界人口はもう少し増えていて,飢餓人口はもう少し減少していると思われるが,九億人近い人間が,十分な食べ物がない状況に置かれているってワケである.
食糧問題は分配の問題という指摘をする人がある.実際,世界の総農業生産量をカロリー換算すると,63億人の腹を満たすのに不足がないのは確かである.日米欧あたりの人間が必要以上に食べるのを控え,余った分を途上国に回せば,飢餓問題は解決する…?
なんてのは夢物語だねと思っているワタクシ.人間の想像力には限界があって,世界のドコかでオナカを空かせた子供がバタバタ死んでいても,平気で残った食べ物を捨てるコトができてしまうのがフツーである.想像力の外に人々のために,敢えて自分の生活水準を下げるなんてマネは,人間にはできないのだ.
また,仮に先進国の人間が必要以上の食べ物を買わなくなったら,貧困地域に食料が行き渡るかというと,そうもいかない.農産物は,残念ながら「誰かに食べて貰うために」生産されるのではない.「食べて貰えるなら金なんか要らない」なんて農家は,ゼロではナイにしてもホトンドいないであろう.結局「代金を払ってくれる」トコロへと流れる.もし先進国での食料消費が減少すれば,農産物の生産量も減少する.売れる以上に作る意味がないからである.
…続く.