vol.2:コネは大事と言うけれど

あ,そうそう.この学会はその名も"Maize Meeting".敢えて日本語に訳すなら「アメリカトウモロコシ学会」とでもなるだろうか.因みにワタクシの研究材料はイネなんだけど.まあイネを扱った研究を発表しちゃイケナイってワケでもなく,ナニよりウチのボスがコノ学会ではもお重鎮中の重鎮なモンで,よーするに強制連行されたワケである.で,コレがワタクシにとってナニがモンダイだって,よーするに講演の内容が理解デキナイ(大爆).トウモロコシなんて扱ったコトないんだもーん.オマケに英語だし.
だけど一般的に日本人より上手いと言われるアメリカ人のプレゼン.実際にはヘタクソ.お約束と言われるジョークを言う人は全体の一割くらいだし,一枚一枚のスライドに文字が多過ぎて分かり辛いったらナイ.結局ホトンドのプレゼンが「ボクはこんなに沢山実験しました.こんなに沢山の情報を知ってるんです」みたいなんばっかりで,別に日本と大して変わらナイ.結局ワタクシは聴衆550人が座る大ホールの最前列でヒタスラ船を漕いでいた.マッタク誰なんですか,日本人=プレゼン下手くそ,アメリカ人=プレゼン上手なんてレッテルを貼り付けて常識にしてしまったのは.


さて,そんなハナシはさておき学会で楽しいのは夜である.

学会とは壮大な合コンである



なんて戯言を言ったのは疑いもなくワタクシであるけれど(爆),まるっきりネタでもなくて,半分は真面目な意味を込めている.学会という名の付くトコロには必ずハイランクのジャーナルに幾つも論文を載せているよーな所謂オオモノってヒト達もいるんだけども,ワタクシそのような人達とは敢えてハナシをしようとは思わナイ.オオモノに顔と名前を憶えてもらうコトを「コネ作り」だと思ってるシトがいるが,ワタクシは「誰かを個人的に知っている」ってゆーのと「誰かにコネがある」ってゆーのは全くベツモノだと思っている.「コネ」ってのは人間関係を利用して実利を得るコトであって,その場合には相手にとっても自分に利用価値が見出せなければならない.オオモノでさえ面白いと思えるような研究実績があるとか,或いはオオモノが今考えているテーマについて,オオモノが考えもしなかった鋭い意見が言えるとか.ワタクシはまだ学生に過ぎず,ホトンド大したバックグラウンドも持ってナイし天才的な頭脳にも恵まれてナイので,オオモノさんとハナシをしたってヘエ,スゴイデスネと感心して終わってしまう.その場で会話を弾ませるコトくらいはデキるかもシレナイが,後々オオモノに何かを頼もうったって相手をしてもらえるハズもナイ.そーゆー意味で今のワタクシが所有しているコネは今のボスだが,ハッキリ言ってソレでジュウブンである.何かあったらボスを経由してオオモノに頼みごとをすればイイのだ.今回の学会でも,老若男女を問わず,ボスの名前を知らないモノなどおらぬワってカンジだったし.
だから仲良くなるなら,同世代である.大学院生とかポスドクとか,みんな将来研究者になるツモリでいるシトタチである.そんな人達とならお互いの研究内容についても議論しやすいし,個人的魅力ってヤツでも勝負できる.そーやって学会でmake friendsした連中が,10年,20年したらソレなりの地位に就いてるカモなワケで,その頃に初めてその友人達が重要なコネとなるワケだ.「ウチの学生にデキルのがいるんだけど使ってやってくんない?」みたいなネ.無論,コネを作ろうとして友達を作るワケでもナイけれど.ヒトリでポツンといてもサビシイダケですから(笑).

とゆーわけで,今回は一日目の夜のオハナシを,と思ってたんだけどソレはまた明日.

…続く