vol.3: おおっ日本語だっ

さて,一日目の講演が終わって大ホールをゾロゾロ出て行く時,ワタクシの左前方に居た日本人ぽいヒトと,右前方に居た日本人ぽいヒトが,どーやらお互いを知っていたらしい.
「久しぶり〜!」
「いつからアメリカに来たの!?」
という日本語の会話が聞こえてくるじゃない.参加者名簿を見た限り,総勢500人以上いる中で日本人の名前はほんの5つほどだったもんで,ヨシ!とワタクシも割り込んでみた.
「日本語ですねえ.」(←全く芸がナイ)


一人は東大の博士を出たあとIowa State Universityでポスドクをしている大津さん.奥さんもISUでポスドクをしておられるらしい,元柔道部の体育会系.もう一人はマイさん.生まれて三ヶ月は日本にいたけど,それから22歳まではブラジルで育ち,博士号は日本の奈良先端技術大学院大学でゲット,それから現在アメリカの二大バイオ企業DuPont(モヒトツはMonsantネ)でポスドクをしている.ポルトガル語,英語,日本語(の順に得意らしい)を操るトリリンガル.ぐむ…所詮まだ学生のワタクシはペーペーであるナ…と思いつつ自分が今ジョージア大のドコドコのラボで実験してると言うと…
「ああ,お疲れサマ♪」
…色んな意味でチョー有名なボス.


で,そのままパーティー会場へと向かいつつ,お二人の研究実績やらを聞いておののく.茎頂分裂組織の研究をしてる大津さん.彼はそのいわゆる生長点ってトコロで働いている遺伝子を調べているんであるが,すでに何千という遺伝子をクローニング*1したとか.��( ̄□ ̄;)!!マイさんはまだアメリカに来て4ヶ月ほどらしいけど,彼女は,先日ワタクシがソコに投稿しろとボスに言われて大騒ぎしてた「Plant Cell」に学生のウチに論文載せてるし��( ̄□ ̄;)!!,他にも何と三つも論文を出してて(つまり学生のうちに4つ出してる),しかもドレもハンパなジャーナルじゃナイんすヨ.キア.


「ソレが当たり前か…」


ソレが当たり前の世界に,今,ワタクシはいるのだった.一年後,今度はポスドクとしてココに戻って来る.その時に,ワタクシは胸を張って彼らと肩を並べられるだろうか.できるかどうかは知らない.ただ,並びたいと思った.
…続く

*1:乱暴に言うと遺伝子のDNA配列を単離しちゃうこと