言霊

id:KEN_NAITO:20050409で「アイツ今日カワイかったよね?賛成のシトは投票ヨロシク♪」ということを書いたんだが,このときワタクシはコメント欄で「私も思った♪」「僕もー♪」みたいな軽いノリで盛り上がったらいいナと期待していたんである.がしかし,イキナリとりさんの途轍もなく重い一票が入って,ワタクシの当初の意図は見事に吹っ飛び(爆),ハナシは予想だにしていなかった方向に流れて行ったのだが,お陰で言葉に対する自分のスタンスがまた明確になったので,書き残しておこうと思う.

ワタクシは古代の日本人が考えていた「言霊」の概念が気に入っている.彼らには不思議でならなかったのだろう.自分が口から発した言葉が,なぜ他人の行動を引き起こしたりするのか.それで,言葉にも魂があると考えた.言葉は人間が口から放ったときに霊魂をおびて空中を飛び交い,他人の心に入り込んで作用し,行動を起こさせる.言葉そのものよりも魂が伝わること,ソレがコミュニケーションだったワケである.いやいや,なかなか深いじゃない?
でまあモチロンそれが理由ってワケじゃナイんだが,とにかくワタクシは言葉には拘る.id:KEN_NAITO:20040906にも書いたが,誰かに何かを伝えようとする時,言葉を使う以外の方法なんて限られているからだ.話し言葉にせよ書き言葉にせよ,大抵の場合ワタクシは自分の発した言葉が誰かの心に何らかの作用を及ぼすことを意図している.冗談を言ったりオモチロハプニング日記を書くときは笑わせたいし,今書いているような文章を書くときも,読んでくれている人にワタクシが抱いている問いを共有してもらい,自分なりにイロイロと考えて頂くコトを期待している,というのが正直なトコロだ.

で,そんな風に他人とコミュニケーションを取りながら人間関係を築いていくのがワタクシのやり方なんだが,その過程で特にタイセツだと思っているのが「褒める」…とゆーか,ワタクシが誰かを「褒める」ときは,ソレによって伝えたいコトがあるんである.

ヒトコトでソレを表現するなら,「信用」だろうか.ワタクシは自分の周りにいる人々に対して,とりさんのように謙虚な態度はとても取れない.ぶっちゃけて言えば,自分で勝手に点数を付けている.それは上の視点に立ってエラソーに評価するとゆーコトではなく,自分にとって付き合いやすいとか付き合いにくいとか,ハナシが合うとか合わないとか,そーゆーレベルのハナシだ.で,そーやって付き合っているうちに,信用できる相手,というのができてくるワケである.ちなみに信用できる,というのはこの人はウソをつかないとかヒトを裏切らないとか,そーゆー人格的な意味じゃなく,「シリアスなハナシができる」とゆー意味だ.そしてシリアスなハナシは重ねれば重ねるほど,共有できるものが増えていって,お互い離れからでも連絡を取り合う関係ができるワケだ.昨年のUGA関連ならid:NAYUとか,ヒメとかね.タイセツな仲間です(照).

で,その信用とゆーヤツは会話を続けているウチに徐々に形成されることもあるが,大抵はその人がある時ある場所で取った行動や態度が,ワタクシのヨシとするモノと共通していた場合にポロッと生まれるコトが多い(id:KEN_NAITO:20050330で紹介した,ちはるの日記とかネ).そーゆー時にワタクシは「褒める」のだ.「褒める」ことによって「ワタクシにとってアナタは信用するに値する」とゆーコトを伝えたいと思っているんである…ってモチロン,向こうがワタクシを信用できると思ってるかどーかはコレマタ全く別のハナシで,ソレは自分の今までの言葉や態度や行動が,相手にとって評価に値するかどーかに依るんだけどさ…(不安).
とゆーわけで,ワタクシにとって褒める,というのはチト特別な意味を持つ.だから普段は簡単にはヒトを褒められない.普段から乱発している言葉は,重要な時には役に立たない.過剰供給された言葉からは,言霊が抜けてしまうのだ.

で,ハナシが「信用」に触れたからついでに言っとこ.最近ワタクシとカヨのボロクソトークを聞いたあるシトに「ケンさんはカヨちゃんのイイトコ全然分かってないヨ」と言われるコトが何度かあったんだが,id:KEN_NAITO:20040921以来,ワタクシはカヨを信用しているんだヨ,と付け加えて結んでおこう.