水曜日

実験が止まらない。実験系が確立されてあとはソレを回せば回すだけデータが出る、って状態になると、いつもオーバーワークである。さっさと帰って寝りゃあいいのに、って自分でも思うんだけど、ついやっちゃうんだよなー。


ついでに内田樹のオーバーアチーブについての考察。

仕事というのは賃金を得るためのものではなく、仕事を通じて他者からの社会的承認を得るためのものである。
・・・仕事というのは額に汗してするものであり、本質的にオーバーアチーブなのである。
賃金と労働がつりあうということは原理的にはありえない。人間はつねに賃金に対して過剰な労働をする。というよりむしろ、ほうっておくと賃金以上に働いてしまう傾向こそが人間性を定義する条件の一つなのである。
・・・人間は「とりあえず必要」である以上のものを作り出すことによって他の霊長類と分岐した。
だが、どうして人間は「とりあえず必要」である以上のものを作る気になったのだろう?
おそらく「とりあえず必要」じゃないものは「誰かにあげる」以外に使い道がなかったからである。
人類の始祖たちは作りすぎたものを「誰か」にあげてみた。そしたら「気分がよかった」のである。あるいは、「気分がよい」ので、とりあえず必要である以上にものを作ってみたのかもしれない。


ふむ。確かにワタクシの実験やり倒しモードの動機は、「少しでも早く結果を出して○○を確かめてみたい」とゆー純粋な好奇心とは言い切れない気がする。むしろそれが占める割合は決して大きくない。てこた、単なる承認の欲求を貪欲に遂行しているだけってことか。研究者として、それなりに認められる存在でありたい、と。


と、自分の小市民ぶりをあらためて自覚する。まだまだ修行が足りない、などとは言わない。自分がちっこい人間だってことを自覚してれば十分である。