新年、2日

目が覚めると熱は引いたようである。この日は女の子と約束があったので、キャンセルせずに済んだとホッとする。といっても彼女の地元から勤務先の北関東に戻る途中に関西に寄るついでってことだから、お茶くらいしか出来ないのだが。


彼女はムチムチバディな上に肌がもっそ白いので、モテモテである。お出かけとなればいつも一人で複数のオトコを引き連れている。そのクセ女性にも人気が高い。女性から見ると「オトコマエ」な性格ってことらしい。そんな彼女の性格は、気さくでよく笑い、話しやすいのだが、物言いはストレートで、人間関係にはナカナカにドライで、しかし甚だテンネンである。テンネンはともかく、こーゆービミョーなバランスはそー簡単に身に付くもんじゃない。今日は短い時間とは言え、そんなコとサシで話せる機会ってワケである。倒れてるバヤイじゃーないのだよ(握りコブシ)。


で、梅田のカフェで席に着くなり彼女はワタクシに言った。「ケンさんの日記、最近読んでなくて昨日のだけ読んだんですけど、あの何年ぶりかで仲直りした「彼女」って・・・」


あー、それは恋愛ネタとは違うよ、と答えようとしたワタクシであったが、しかし彼女が続けた言葉は、違った。




  「人間ですか?」


ズコッ。


「何かの隠語かなとも思って・・・」


どんだけ遠まわしな表現やねん。新年明けまして早々、テンネン炸裂である。ワタクシは腹を抱えて悶絶した。まあそんな爆笑状態から会話は始まったワケであるが、彼女のギョーテンなバックグラウンドやら体験談やらは大いに笑えたが、笑いつつも、彼女は「人間の暗部」を目の当たりにしたり、自分がその被害者になったりと、ヘビーな経験を結構重ねているようだった。それでいてこれだけ飄々していられるのだから大したものである。「本当に困っているのに誰も助けてくれなかった経験」は、そのせいでヒネクレなければ強味になるんだよなやっぱり。


で、そんな彼女のオトコ関係なんだが、コッチもなかなかすごい。何せ「とりあえずイチバンのオトコ」の他に、キープしてる「保険くん」が二人もいるんだからね。


「じゃあオレを三番目の保険くんに・・・」
「いや、恋愛対象は近くの人だけですから」
「でも近くには既に三人いるわけやろ?優先順位の四番目くらいは遠くてええやろ」


って何の交渉なんだか分からないのだが、とりあえず今月末に仕事でまた関西に来るらしく、その時にもっかいデートしてくれるってさ。・・・何だか今年もステディなカノジョはできそーもないな。


で、あっという間に二時間が過ぎ、彼女を見送ったあと何となく紀伊国屋に入ってみると、表のイチバン目に付く所に置かれてました。


ローマ人の物語 (14) キリストの勝利

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ソッコーで購入し、夜の更けるのも構わず読み耽ってるウチに、再び風邪が悪化したのでした。