弟+洗濯=使えない

僕は弟と二人暮らしである.普段の洗濯はいつの間にか僕の役割になってしまった.そんな弟が先週の土曜日,珍しく洗濯をしてくれた.僕が昼過ぎにゴソゴソと起き出して,シャワーをするときに洗濯籠を見てみると空になっている.おお,洗濯してくれたのか珍しい,と思いながら外を見ると,雨が降っていた.


乾かねえだろ.


昨日,博士論文を雛形に合わせて構成してたら夜中はとっくに過ぎてしまい,帰ったのが朝六時で風呂に入って寝たのが七時.僕が布団に潜り込むと同時に弟が起き出してきた気配がする.その弟が裏口から外に出てる音がして,そして


「あっ!」


と叫ぶ声がした.どうしたんだろうと思いつつも,眠いので寝ることを優先しようとしたその矢先,弟が僕の部屋のドアを開けて,言った.


「アニ,すまん!昨日の夜洗濯したんやけど,干すの忘れてた!」
「・・・.」


弟よ.徹夜明けの兄にその仕打ちはないだろう.