ある合コンの話.

年末30日に,友人ハセから合コンのお誘いがあった.僕は驚愕した.何せハセは今までの29年間,ずっと女性運から見離されたヤツだったからだ.その彼が合コン.一体どんな女性が参加するのだ.興味津々ではないか.


当日,待ち合わせ場所に行ってみるとハセが1人で立っていた.お前が合コンなんてどうしたことだ,そう問う僕にハセは言う.
「会社に同じ京都出身の女性がいて,その人からお願いされた」と.
僕の勘はこの時点で,その女性がハセを気に入っていると判断した.もちろん色んなケースが考えられるのだが,もしも合コンを足掛かりにイイオトコを釣り上げようとしているなら,ハセが人に与える印象からし役不足は否めない感じがするからだ.


さて,言ってる間に女性達も集まったわけだが,僕はそれで完全に萎えた.顔は可愛いがあらゆる仕草が下品な女,大人しいが意志を全く感じさせない女,それに不細工なのに背中がバックリ開いた服を着た女,の3人.よーするに3人からは知性の片鱗さえ感じない.


が,しかし!


ハセは本当に最初の女に気があるようだった.その女もまた,ハセを見る頻度が高い.僕は結論した.ハセに春が来る!と.僕は自分の学歴もキャリアも全て伏せ,徹底的にハセのネタを明かして,彼に注目が集まるよう仕向けた.しばらくすると,狙い通り,女性3人を相手にハセがスパークする.女性相手にこんなにもスムーズに話しているハセなど,未だかつて見たことがなかったよ.これはいける!


そんなわけで,本当ならさっさと帰りるところだけど,ハセのために二件目の店を案内し,僕は大人しく見守り続けたわけである.


その結果…


その女から,ハセに届いたメールの一部.
「ハセさんのお陰で凄く盛り上がりました♪」


くっくっく.その後デートの約束も取り付けたみたいだし,よかったよかった.がんばれよー