読破

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」や「ねじまき鳥クロニクル」のように,二つのストーリーが交互に展開する.初めは全く関係のない二つの物語が,ある点を境にして急速に絡まり合い,一点に向かって収束していく.しかも当に何かが起こりそうなその瞬間に,場面がもう一つの物語へと移行してしまうので,ページをめくるのが止められなくなってしまう・・・かなり中毒性の高い小説だった.


それにしても,全く関係のなさそうな二つの物語が,非連続的な飛躍を経て,統合されて一つの大きな物語となる・・・っていうのは,カオスの状態から突然に「自己」を持った生命が生まれるという「生命システム論」と凄く似ている気がした.そしてこの小説を読みながら,頭の中で何となく村上春樹の小説と村上龍の小説とを比較していたら,一つの重大な事実に気付いたのだが,それは日を改めて書きたい.今日はこれで帰る.おやすみ.