つくばへごー 1

15日夜11時半,後輩を乗せて大学を出る.本当はわざわざ彼女が筑波に行かなければならない理由はなかったのだが,大学以外の研究所や研究機関で色んな研究者に会ったり,実験に触れることほど刺激的なことはない.後輩の将来にとって絶対にプラスになると思って,後輩にはバイトを休ませ,上からも半ば強引に許可を貰って連れて行くことにしたわけである.

さて,今まで僕の車の助手席に座れば,例外なくスヤスヤと眠りに落ちる後輩だったが,今回は頑張った.それどころかとある人物についてとんでもない爆笑ネタを語ってくれたお陰で,全く退屈せずに済んだ.また後輩の好みそうな音楽を重点的にCD−Rに焼いておいたのも,かなり効果があったらしい.まあ何というか,道中はアホな話で盛り上がるアホ二人,な状態が切れ間なく続き,首都高も無事に突破,朝七時半には筑波の農業生物資源研究所に到着した.

そのまま午前九時まで休憩.そして前日に筑波入りしていたもう1人の院生と合流し,植物ゲノムリソースセンターの長村氏の部屋へ行く.そう,知る人ぞ知る,マイクロアレイ解析ってやつを実施しに来たのだ僕達は.スライドガラス1枚10万円,実験試薬1回分が同じく10万円,そして最後にスライドグラスを読み取るためのスキャナーたるや1台1500万円という,ちょーハイテクな実験なのだ!

直接実験を指導してくれるのは研究助手のM山さん.細かい操作も彼女に掛かればバチグン!なのだけど,実験操作は自分達でやらされます.当たりはキツくて指導も厳しいM山さんですが,意外とアホな話にアンテナが広い人です.お陰で去年この場所にお邪魔したときに,僕は一瞬で気に入られた(素直に喜んでいいのか・・・?)りして,その後しばらくは来る人来る人みんなに僕の話をしてくれてたらしい・・・そこまでレアなキャラか,僕は?

昼休みは少し長めだったので,ジーンバンクの河瀬さんの部屋にお邪魔したら,ジーンバンクの施設全体をを案内してもらえることになった.ジーンバンクとは,すなわち遺伝資源を保存するための施設である.世界中の色んな植物の種子,昆虫や牧畜の精子,それにカビや細菌などなど,それこそいろんなものがいろんな方法で保存されている.人を冷凍保存できそうな液体窒素タンクが幾つも並んでる部屋は圧巻であった.

そんなこんなで一日目の実験操作も無事終了.後輩は期待通り,かなりワクワクしているようだ.その日は僕の疲労がピークを越えてしまったので,ココスで晩御飯を食った後は,大人しく寝ることにした.