つくばへごー 4

その後もしばらく森田さんと話した後,水戸駅南のJazz Bar 「Girltalk」へ行く.まだ時刻は七時半だからお客さんはほとんどいないはず・・・と思っていたのに,駐車場には車がズラリ.何とその日はフォークシンガー永井龍雲のライブなのであった.ここのマスターや江畑さんやバーテンダーにも後輩を会わせておこうかと思ったのだが,今日は諦めるしかないか・・・と思いはしたものの,まあ念のため,と思って店に電話を入れてみると,ちょうど二つ席が空いてると言う.ラッキー.

とはいえ,フォークシンガーの歌声は,結構体力的に疲れている僕らには子守唄同然である.僕は何とか耐え抜いた(はず)が,後輩は半ばで大海へと舟を漕ぎ出していた.

ライブ終了後はカウンター席に案内され,バーテン二人とペチャクチャする.二人に後輩を紹介すべく,

「コイツ,オレの愛弟子のモンデン.『門田』と書いて『モンデン』て読むねん」
「へー,珍しいっすね」
「でもコイツの地元広島ではそれがメジャーらしいで」
「あ,そーなんですか」
今度はバーテンを後輩に紹介する.
「で,コイツはコンナイ.『根内』って書いて『コンナイ』って読むから,モンデンと似た感じやなぁ.コンナイも茨城ではメジャーなわけ?」
「いやオレんちだけっすよ」
「笑.んでこのキレイな人が鈴木さんね.」

みたいな感じでかなり分かり易い紹介だったはずなんだが・・・3分後,後輩が僕にヒソヒソ聞いてくる.


「あっちの人,ソンナイさんでしたっけ?」
「ぷっ.コンナイや.『村』じゃなくて『根っこ』.おい,コンナイ,コイツお前のこと『村内さんでしたっけ?』やってよ.随分田舎に放り込まれたもんやな」


しかしその五分後.今度はコンナイが後輩に向かって


「デンモンさんでしたっけ?」(←マジボケ)


「逆!モンデン!お前ら二人そろってメモリ不足かい」

メモリはさておき,コンナイは流石にバーテンとしてのキャリアも長いので,カクテルは上手い.後輩も満足.僕はコーヒー.
しかし筑波の宿の門限は12時である.11時には店を出て,常磐道をカッ飛ばし,ギリギリ間に合うか・・・?と思ってたら,見事に最寄のインターをスルーして自滅.守衛さんに頭を下げるオチとなってしまった.