つくばへごー 7
さて,とりあえず家庭教師で教えていた子供の母上のケイタイに電話をしてみる.あ,もしもし?今近くまで来てるんで久しぶりにお邪魔できたらと思うんですけどー?
「今ね,私達東京なの」
「は?」
聞けば,娘さん達は二人とも東京の有名私立高に入ったらしくて,母上ともども東京に引越しちゃったらしいのだ.えー,それじゃこっちの歯医者さんは?
「旦那だけそっちに残ってやってるの.今もいるから,是非寄っていってください.旦那にはこちらから連絡入れておくから.」
うーむ.父上しかいないのなら(間違いなく勤務中であろうし)正直遠慮しようかと思ったが,既に母上から父上に連絡が入っていることだろう.それで行かないというのは逆に失礼か….というわけで,とりあえず行く.歯科医院の駐車場に車を停めると,中から父上が手を振ってくれた・・・患者さんを診ながら.やっぱ勤務中だし.
でまあ医院の裏にある豪邸に案内されて入る.玄関は二階まで吹きぬけ,お約束の置時計はおろか,グランドピアノまで置いてあるんですよねこの家は.リビングの壁一面にはロイヤルコペンハーゲンやらウェッジウッドやらのカップ&ソーサーがズラリと陳列.テレビはもちろん大型液晶フラットですよ.ああ!
「娘さんは二人とも東京の有名どころに入らはったみたいで良かったですねえ」
「そうなんだ.週末は大体私も東京に行ってるんだけど」
ふとテーブルを見ると不動産関係のチラシ置いてある.
「その東京のマンションってのはこれですか?って・・・」
目玉が飛び出た.
「き,九千万!?」
対して父上はあっさりと言う.
「あ,うちのはもう少しランクが上かな」
「億ですかっ!? 一体どんなところに」
「首都高湾岸線からすぐ近くの,○○ツインタワーっていうんだけどね」
「え,タワー!?」
「うちは29階にあって,目の前にベイブリッジが見えるよ」
( ̄○ ̄) ぽかーん ( ̄○ ̄)
と後輩と二人で世界の違いを思い知ったひと時であった.んじゃいつかそっちにもお邪魔してみるしかないな〜.