ボスとミーティング

今日はボスとミーティングである.これまでチョコチョコとパイロットケースを重ねてきた(これからもうしばらく重ねる)プロジェクトについて,本格的に話さなければならない時が来たんである.
正直言って,前にアメリカに居たときからずっと,僕はボスを説得できたことはなかった.「こういうことを調べてみたいと思うんですが」みたいなことを言えば,ボスは必ず矢継ぎ早にツッコミを入れてくるのだ.大抵の場合において,しばらく後でもう少しデータが出てきたときに,ボスは僕が先日提案したはずの実験をそのまんま「じゃあ次はこれをやりなさい!」とボスが今考え付いたかのように言ってきたので,まあ問題がなかったといえば問題なかったのだが.

しかし今回はさすがに状況が違う.この研究計画をに対してGOサインが出なかったら,僕は当分の間することが無くなってしまう.いや,何よりもこの研究は全力を傾ける価値のあるものだし,実現可能性も相当に高い.昨日一晩考え込んで僕は思ったのだ.これは本気でやってみたいと.

いつもボスとのミーティングで困るのが,テンポの速さだ.僕の英語は軽口を叩く場合にのみスピーディに回転し,腰を据えて議論をするとなると,ボスのペースに全く付いていけなくなるのだ.ボスが聞いてきた質問に答えようと格闘している間に,ボスの頭にはもう3つくらいツッコミが浮かんでいる.


が,今日の僕は余程自信があったらしい.話そうとするボスを抑えて自分が喋り続けることが出来てしまったのだ.


というわけで,GOサインが出た.お金はとりあえず150万円あるわよ,とのことである.


しかし正直に言って,僕はボスのツッコミに完全に答えたわけではなかったはずである.多分今日の僕には相当,目ヂカラがあったに違いない.笑