エジソン

一昨日の言葉,独占欲が強くて嫉妬深い,人格者と呼ぶには程遠い人物であったはずのエジソンにしちゃ,出来すぎだと思ってたんで,調べてみた.どーやら真相は,彼は「1%の才能がなければ,99%の努力も無駄だ」って言いたかったらしい.それを新聞記者が,勝手な解釈を付けて記事にしてしまったということだそーだ.
その後あまりにも多く引用され,実際に計り知れないほど沢山の人間に影響を与えてきたんだろうから,新聞記者は新聞記者で才能があったんだろうなぁ.所詮は「エジソン」という絶大な権威を借りた記事だったわけだが.そう,「エジソン」という文脈を抜き取ってしまえば,この言葉は単なる負け犬の遠吠えにしかならないわけだ.


「テクストの意味を,書き手が決定することは不可能である」って言ったのはロラン=バルトだけど,本当にその通りだよね.幾通りもの解釈の仕方があって,その解釈は結局,読み手の体験,あるいは対話者同士の関係に大きく依存している.そこから更に脱却して,一旦読み込んだ意味を強引に捨て去り,常に別の角度から読み込み続けようとしたのがデリダってところか.

でもそんなの,仏教の縁起や空や唯識の思想が,1500年とか2000年も前にとっくにやってたことなわけで.・・・という,「仏教」とか言う言葉もまた,権威になってしまうわけで.