コンプレックスとか,自信とか

自分の身体的特徴にせよ性格的難点にせよ,コンプレックスを持つ人がいる.中高生の時代に仲間や友人からバカにされて傷ついたとか,親の一方的な教育などが背景にあることが多いが,そのコンプレックスが対人関係に対する自信を奪ってしまうことは多い.特にそれは人を恋愛に対して臆病にさせる.また,頑張って告白したのにフラれた場合,コンプレックスは更に強化される.「やっぱり自分の○○のせいで・・・」.だが多くの場合,恋が上手くいかなかったのはコンプレックスのせいではなく,自信がなかったせいである.

自信を持つ,というのは例えば自分の顔に自信のない人間が,「オレの顔,イケてる!」とかいうことではない.そうではなく,「気にしない」ということなのだ.その欠点のせいで自分を嫌う人はいるかも知れないが,そうではない人間だって世の中には沢山いるはずだからだ.

もっとも,コンプレックスを抱えている人の多くは,それくらいのことは頭では分かっている.分かっているが,どうしてもそのコンプレックスが手放せない.理由は簡単で,何かが上手くいかなかった場合,全てコンプレックスのせいにしてしまえるからである.自分の努力不足やら何やかやを,全て棚上げにしてしまえるからである.

強いコンプレックスを抱いていると,自分の欠点を隠そうと躍起になってしまう.結果,人と対していても視点が自分ばかりに向いてしまうことになる.相手を見ていないのだから,対人関係が上手くいくはずもない.

確かに,酷い体験をして,深く傷ついたせいもある.だが,その後もその体験にずっとしがみついているのは他でもない,自分自身なんだということに気付くことが第一歩なのだ.