読破
- 作者: ドストエフスキー,亀山郁夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/11/09
- メディア: 文庫
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次男イワンの語る「大審問官」.旧訳を読んだときには衝撃を受けた部分だが,改めて読んでも肌が粟立つ.大審問官によるキリストへの反逆.曰く,「お前(キリスト)の言う通りの『自由』を実行できる至高の人間など,世の中にはほんの一握りしか存在しない.結局お前の言葉はそのような僅かな『選ばれし者』のみを救い,他の圧倒的多数には地獄を見せるだけではないか!私はそのような救われぬ者どものためにこそ,彼らにとって最大の重荷である『自由』を奪い,服従させ,地上のパンを与えてやっているのだ!」
ここでイワンが語る悲観的な人間観こそが,僕の興味を哲学と心理学に向かわせたわけですよ.