やっぱそれが「超」一流か・・・

実験機器を借りている隣のラボの社長はその名もXiaoyu Zhang.僕が前にアメリカにいた時は,同じラボでポスドクをしてた.PNASやGENETICSに論文を3,4本投稿したあと,UCLAでもう1度ポスドクをやり,NatureやScienceやCELLにバンバン論文を出し,晴れてプロフェッサーとしてジョージアに戻ってきた.ま,僕なんて到底足元にも及ばないほど優秀なサイエンティストである.

そのXiaoyuが話しかけてきた.
「昨日キミの女社長が,キミがクールな結果を出したって言ってたけど」
「うん,実はかくかくしかじか.」
「おお,凄いね!じゃああとは○○するだけだね!」

とあっさり言われて愕然とした.Xiaoyuに言われた追加実験については,考えてはいた.だが,とりあえずこの一年で蓄えたデータと合わせれば,今回出た結果で切ってしまっても十分強力な論文として通用するんじゃないかと思ってたわけである.まーそこまでしなくていっか,と.
そこをXiayuはあまりにもあっけらかんと言ってきた.「じゃあ次は○○するのか?」とかじゃなくて,「あとは○○だけじゃん」と.当たり前ってわけですね.そう言う風に考えることの出来なかった僕は完全に負け.少なくとも,現時点では.

いや,Xiaoyuを超えてやろうなんて思うわけではないけども,「一流」が「超一流」になるために越えなければいけない壁みたいなものを感じたわけである.

くー,ちくしょー,やってやろーじゃねぇか!
でも,とりあえず明日は同僚のNathanに「ねー,手伝ってよー」と泣きつくことにする.