9割のどうでもいい人よりも1割の大切な人.

ある程度長く生きれば自分が人生で関わってきた人間の9割以上は,自分に対して何ら影響力を持っていないし,その逆も然り.自分が出会ったほとんどの人に対して,僕が影響を与えることなど不可能だろう.でも1割くらいの人達は,いい意味でも悪い意味でも,僕にとって重要な意味を持っている.大切な友人だったり恋人だったり,或いは僕の立場を簡単に左右できるほどの権力を持つ人だったり,慕ってくれる部下だったり.だから人生を豊かにしたり,或いは不毛なものにしないようにするには,この1割の人々から,自分という人間がどう思われているか,というのが重要な問題になる.逆に言えば,9割の人間にはどう思われようと関係ないわけだ.

だが,人間というのはどうしても人目を気にするように出来ている,というか社会的にそのように育てられてしまう.結果として,いわゆる「世間体を過剰に気にする人」もそれなりに生まれてきてしまう.

こういう人は,どうでもいいはずの9割の人からどう思われるかを気にする余り,大切な1割の人々を犠牲にしてしまう...哀れなことである.

ラッセルも似たようなことを言っている.

ある種の趣味や信念をも持っている人間が、ある派閥の中で生活している時は、事実上人間のクズのように考えられたとしても、他の一派にあっては、まったく正常な人間として受け入れられるだろう。
故意に世論を軽蔑する必要はない。しかし世論に対して無関心でいられることは、一つの大きな力であり、かつ、幸福の源泉である。