僕はレポーター

12月に全精力を傾けて書き上げた論文第一稿であったのだが,ものの見事にボスにコテンパン.しかし休暇明け初日にボスから言われた言葉には目からウロコであった.
「あなたは今まで誰も体験したことのない大地震の現場にいるレポーターみたいなものよ.その衝撃をテレビの向こう側の視聴者に伝えるんだという使命感を持って書きなさい!」
本当にハッとした.自分でも信じられないほど良好な結果を得られてしまったためか,結果頼みというか,淡々とのっぺらぼうに書いてしまっていたわけだ.研究論文の書き方は好みの問題とも言えるのかも知れないが,少なくとも読者の興味を逸らさないように,そして一人でも多くの人に読んでもらえるように書くことこそが,論文執筆における至上命題なのだった.それはデータの質なんかに左右されない問題なのだ.