ぼ,ボス・・・?

「他の仕事も大体片付いたから,ようやくあなたの論文に集中できるわ.1,2週間のうちに投稿するわよ!」
いえっさー!
「月曜にはあなたの原稿にコメントを書いて渡すわ」
いえっさー!

・・・というやり取りをしたのが2週間前の金曜日.
そして翌週の月曜日.ボスからの音沙汰なし.
火曜日.またもや音沙汰なし.
水曜日.静寂.
木曜日.同上.
金曜日.研究室ミーティングがあったのだが,ボスは僕の論文について一言も触れない...ので,さすがにちょっと聞いてみた.
ボス,わたくしめの論文の出来はいかがでありましょうか.
「今私は他にやらなきゃいけない仕事が山ほどあるのよ!」
…全身全霊を以てズッコケた.
1週間前にボスの口から語られた言葉とは見事なほど真逆である.
さすがに少々バカバカしくなり,じゃああと2週間はゆっくり出来るのかと思いきや,30分後にボスに呼び出された.
「今からアブストラクトを書くから,あなたの論文の要点を纏めましょう.一番大事な結論は何?」
…忘れてたね?あんだけ気合い入れて宣言したことを,あっさりと(心の声).
「OK.これで骨組みはできたわね...じゃあ週末の間にアブストラクトだけでも完成させて,月曜にはあなたに送るわ.」
らじゃー!

土曜日.昼過ぎに起きてPCを開くとボスからメールの山が.ボスが真剣に論文に取り組み始めてくれるとこうなるんだよなー.思いついたことをその場でメールしてくるんだもん.一つ一つ返していくと,返した端からまたメールが届く.ボスの頭に何かが閃いたようだ.
「こんな感じで書いてみるのはどう?」
おお,グッドであります.
しばらくしてまたメールが届く.
「電話してちょうだい.番号はxxx-xxx-xxxx」
おおまたボスが何か閃いたのか?やっぱ本気出されると敵わんなぁ.・・・もしもし,ボス?KENであります.
「今から出かけなきゃいけないから,私がさっき送ったアイデアを入れて,今日明日中に書いて送ってちょうだい.私がそれを月曜までに直すわ」
イスごと床に転げ落ちた.結局こうなるのかー… 僕はその日のうちにアブストラクトを書きあげて,三回読み直した上でボスに送信する.

日曜日.静寂.

月曜日.ボスが帰り際に一言声を掛けていく.「明日やるわ」
火曜日.「明日こそあなたの仕事ををやるわ」
水曜日.「明日絶対やるから」
木曜日.「明日にはフィニッシュよ」
金曜日.てゆーか今日.「半分は終わったわ.明日続きをやって,月曜日には(以下略」

…というわけで,「1,2週間」が終了した.ちーん
今月中には投稿できると思ってたんだけどなぁー...