えらいこっちゃ

Natureのインパクトファクターは31.4.つまり,掲載された論文は,三年以内に大体30報以上の論文から引用されるのね.
僕の論文デビューはGeneticsで,そのインパクトファクターは4.0だから,単純に考えてその8倍くらいのインパクトがありますよと.二つ目のPNASが9.6だから,それでもまだ3倍以上あるわけで.

NatureやScienceに載るような論文を書くなんて,僕の研究者人生の中で1回あれば御の字だと思ってた.それが博士課程修了してから2年でいっちゃったもんなー.

確かに,今回の自分の発見がちょっとしたエポックメイキングなものになるかも知れないとは思ったけども,それがまさかNatureに行くとは思ってなかったし,ボスもそこまでの自信はない感じだった.ところが,2月の国際学会で発表したらビックリするほど反響が合って,元同僚のセドリックが「ぶっちゃけ,お前の発表が一番面白かったぞ.てゆーか感動した!帰ったらソッコーでお前のボスに電話するわー」と.

翌日,学会から戻って大学に行ってみると既にボスはセドリックからの電話を受けた後で,僕を見るなり満面の笑みで「彼があれはNatureにいけるって言ってたわよ.やってみるしかないわね」

それじゃやるだけやってみるかと思って書き始めたものの,1,500語という恐ろしく短いスペースの中に,必要な実験データの全てを盛り込みつつ,同時にストーリーを組み立てることの困難さに,しばしば途方に暮れちゃったよ.ボスとの意見の食い違いも沢山ありました.前回の論文のときはほとんどゼロだったのになぁ.

それにしても今回の論文執筆には相当疲れさせられました.正直,ぶっちゃけ,二度と挑戦したくないや(苦笑

…とは言っても,どうせ喉元過ぎれば何とやらだと思うけど,まあ当分お預けってことで.


でも,これだけは言える.

2年前,本気で惚れた人を置いてまでアメリカに出て来た甲斐はあったと.


さ,早く入籍しなきゃ(と言っても3月11日は動かせないけど).