実験2と実験3

 次に,銀坊主においてmPingが近傍に転移した遺伝子(図3a)について,通常条件下における遺伝子の発現強度を調査してみると,上流部にmPingが挿入した遺伝子の20%以上において,発現強度が増幅されていた(図3b). この結果から,mPingの内部配列には,近接する遺伝子に対してエンハンサーとして機能するcis因子が存在する可能性が考えられた.そこでcis因子データベースを用いてmPing配列を解析したところ,97のcis因子が検出され,うち2つが確かにエンハンサーであることが明らかとなった.更に興味深いことに,mPingには何らかのストレス応答に関与するようなcis因子(植物体が低温や病原体感染などのストレス条件に曝された場合に,遺伝子をONにするためのスイッチ)が27個存在することが明らかとなった(図4).