食糧問題
今週の日経BPで食糧問題が特集されているらしい.曰く,
2009年時点で68億人の世界人口は、2050年には91億人になる予想です。その最上位を占めるであろうインドと中国は、今の経済成長の勢いだとそれぞれの国民の生活水準が大幅に上がります。つまり、より多くの人がより豊かな食生活を求める。
すると、どうなるか。
国連食糧農業機関によると、今より1.7倍食料生産量を増やさないと、この人口増大には対応できない、というのです。すでに世界の食料供給は限界まで来ています。現時点でも、アフリカなどでは深刻な食料不足を解消できていない地域がたくさんある。これ以上、人口が増え、経済成長を遂げた新興国の食料需要が増大したら、人類みんなの胃袋を満たすことはどう考えても不可能です。
では、どうすればいいのか?
どうすればいいんでしょうね?
FAOの統計によると,第二次大戦以降2000年まで,栄養不足人口の絶対数は一定のペースで減り続けていたんだけど,21世紀に入って一転,増加傾向になっている.確か2002年の栄養不足人口は8億8千8百万という大変覚えやすい数字だったんだが,それが2009年に初めて10億人を超えてしまったらしい.最近の石油価格の高騰が食糧輸送コストを増大させただけじゃなく,代替燃料としてのバイオエタノールの生産のために本来食糧であるはずのトウモロコシが利用されたりしたせいで,余計に穀物の値段が上がったわけ.で,それが低所得者層の台所を直撃したと.
で,引用した文章にも書いてあるけど人口は2010年には90億人を突破する見込みで,そんな数の人間の胃袋を満たせるだけの食糧をこの地球上で生産することが果たして可能なのか,どうなのか?「Can Science Feed the World?」という特集が,偶然にも同じく今週のNATURE誌で特集が組まれてたので,農学系の研究者・学生はチェックしておくべし.
http://www.nature.com/nature/journal/v466/n7306/full/466531a.html
これから世界中で「農」の研究に風が吹くかも知れない...でも日本では吹かないかも.爆 だって,日本の政治は農業を守ることよりも,農家を守ることに重点を置いてるみたいだし.それとこれとは似てるようで全然違うんだぜ.
ちなみに,日経BPは不安を煽るような見出しになってたけど,NATURE誌の方はむしろ楽観的な内容になっております.とくにブラジルが農業大国としてデビューしつつある事実は重要.
ま,詳しくはまた気が向いたら書きます.