巣立てよ

学会で,学生時代から育ててきた一番弟子に半年ぶりに会ったが,どうやら彼女が僕の手元を離れる時が迫ってきたらしい.この先彼女を巻き込めれば今の研究も一気に進むと思っていたんだが,どうやら次の成長ステップを見据えているようだ.彼女は既に,僕には出来ないことを出来るようになりつつあるわけだが,今後はもっとそうなるんだろうなー,間違いなく.

一抹の寂しさは否定できないが,しかし,彼女がどこまで伸びてくれるか,それを見るのが本当に楽しみである.

学会が終わってから,今の職場にいる学生が僕に言ってきた.
「あの人(弟子のこと)に比べると,内藤さんも全然フツーの人ですよね」
「そやろ?アイツの器の大きさに比べたらオレなんかタカが知れてるで」
「本当に見たことないタイプの人ですよね...どうやって捕まえたんすか?」
「アイツがまだ学部の3年やったときに,京大の育種研に見学にきたときがあってな,そのときにコイツはイケる!って思ってな.絶対ウチに来いと.で,上の教員たちにも絶対アイツを取ってくれって頼んだんや...けど,そろそろ次の弟子を探さんとなー」
「オレでしょ」
「お?じゃあ再来年までに学位を取って,学振に合格してもらわんとなぁ?」
「はい」

おやおや.僕の方にも,次の弟子をどう育てていくかを考えるべき時が来ているようだ.