9/15 Driving to 花背・花竹庵

花背は峠を只管上って鞍馬を遥かに超えたところにある。といっても、市内からは30kmくらいだけど。まあ十分遠いか。ここの峠道が僕は昔から大のお気に入りで、道は狭いし対向車とのすれ違いも大変だけど、延々と続く北山杉がとにかく美しいのだ!晴れの日は本当に最高。こんな風に。

しかし本当に険しい道のりなので、運転に自信のない人には全くオススメしない。一応、1時間に1本バスが通ってるからそれを使いなさい。

で、その先にあるのが花背の里。はなせ、と読む。元々は離世と書いたらしい。確かにそれくらい俗世から離れた雰囲気である。ススキも茂る。

そして忽然と現れるのが目的地のお蕎麦屋さん、花竹庵。大学4年のときに偶然見つけて以来、何度も足を運んだなぁ。給仕の女性にも顔を憶えてもらえるくらい、来ました。来るたびに違う女の子を連れて来ていたことは、今となっては秘密でも何でもない。

門をくぐると、まずは見事な庭が。藤棚が咲いている頃に一度来てみたいなぁ。

さあ、お店の中に入りましょー。元々は絵描きだった人の家屋を改修したものだけあって、雰囲気はバチグンだぜ。

ちなみにこのお店の向いには工芸品の工房があって、店内の調度品にはみんなそこの作品が使われている。工房には売り場も併設されていて、陶器やガラス食器や漆器など、どれも溜息が出るほどの逸品。是非足を運んで、物欲を刺激されるべし。例えば下の写真、卓上机の天板のアップなんだけど、これ、机に何かが敷いてあるんじゃなくて、天板の上に置かれた布を、漆で塗り固めてあるの。初めてみたときは感動した、のだけど、この写真で伝わるかどうか。

他にも、風鈴や

お盆や器などなど。


さて、いよいよ蕎麦を頼みます。最後に来たのがアメリカに行く前だったから、4年ぶりなのか。ちょっとメニューが変わっていたが、オススメは何と言っても山椒そば。初めて来たなら絶対コレにして。食べログとかの口コミだと、これ以外の蕎麦を食べて何かイマイチ、とか言ってる人が多過ぎて。胡麻味噌蕎麦とかは、リピーターが、たまには別の味を楽しみたい、って場合に注文すればいいと思う。

昔は前菜に蕎麦味噌、漬物に盃一杯の日本酒だったんだけど、今は蕎麦雑炊と、蕎麦味噌付きのお漬物。

そしてお蕎麦。蕎麦は甘くて香り高い。でもそれだけじゃないんだぜ。山椒そばって山椒が掛かっているわけじゃなくて、麺に直接打ち込んであるのだ。


器もキレイっしょ。鏡みたいに周囲が映り込んでおります。

嫁が頼んだのは梅干蕎麦。つゆが梅風味。感動したのは、ミョウガ。こいつの香りで世界が変わる。マジで。


ああ、うまかった。

さて、こんなお店ともなれば、厠まで風流だったりするわけで。手洗い場には蹲があり、

そして厠から戻ってくるときには、こういう風に庭を見せられる。

値段は1600円。ま、結構なお値段だけどね。でも、休日でも満席になったりするような場所にあるわけじゃないので、お値段分はゆっくりしていこう。お茶も出るし、場合によっては店の人が話しかけてくれて、この土地ならではの、季節ごとの趣を聞かせてくれたりすることもあるので。