努力の重心

自分の得意なところを伸ばすべきか?それとも苦手なところを克服するべきか? いや、ちょっと待った。冷静に周りを見渡してみよう。 本当に努力すべきなのは、みんなが努力していないところだ。
 皆が出来ることを自分も出来るようになったところで、得るものはあまりない。猛烈に厳しい生存競争の真っ只中に突っ込んでしんどいだけだ。でも多くの人が努力を怠っているところで努力を積めば、自分の存在価値は大いに際立つ。
 今○○の分野がアツい!自分も○○の実験をしてみたい!と思うのは結構だけど、多分他にも同じことを考える人は沢山いるわけで、だから「今、アツい」ものは、新たに取り組むには「既に遅い」。大切なのは、今は注目されていないけど、これから注目されそうなことを見抜くセンスだ。そして、センスを磨くことに一所懸命な研究者は、ほとんどいない。
 プレゼンや予算申請の書類作成なんかもそう。本格的な訓練を積んでる人って、どれくらいいる?でもだからこそ、ちょっと努力するだけで周囲に断然差を付けることが出来るんだけどね。僕がプレゼンが得意になったのは、別に人前で話すのが好きだからじゃない。というか、緊張しぃの僕は人前に立つのが小さいときから大嫌いだし、今だってそれは変わらない。でも、研究室のゼミや学会で誰も彼も例外なく酷いプレゼンをしているのを見て、これはちょっと努力するだけで一気に顔と名前が売れると思ったのだった。