ラッセルの幸福論「好奇心」

我々は自分の仕事や人付合いや恋愛などに熱中するあまり、それらが人類の活動全体においてどれほど微々たる部分を占めるに過ぎないか、また世界中に我々の仕事に全く影響されない物事がどれほど溢れているかを忘れがちである。
 我々はこの世界にそう長く滞在するわけではない。したがって、短い生涯のうちに、この不思議な惑星とそれを取り巻く宇宙について、分かることは可能な限り知っておくことだ。知識を身に付ける機会を無視するのは、劇場に行って芝居を見ずに帰るのと同じである。この世界は悲劇的、喜劇的、英雄的、あるいは奇怪で不思議な事物に満ち溢れている。世界が提供するこの壮大なスペクタクルに興味を持てない人々は、人生の差し出す大きな特典を失っていることになる。

研究者だって、自分の専門ばかりではなく、この世界の色んなことは知っておいた方がいい。世界を知ることそれ自体も楽しいことだが、その他にも色々といいことがあったりする。教養は人間的な魅力の源にもなれば、アイデアやブレイクスルーを生む温床ともなるからね。

なんだけど、他のことに目を向ける暇があったら、実験をするなり論文を読むなりすべきだって研究者は多いよね。。。