ラッセルの幸福論「あきらめ1」

幸福な人生を生きるためには、あきらめが果たす役割を無視することはできない。賢明な人は、防ぐことのできる不幸に対しては見過ごすような真似はしないだろうが、しかし避けられない不幸に大しては時間と感情を浪費するようなこともないだろう。また、回避可能な不幸であっても、それを避けるのに必要な時間と労力がもっと重要な目的の追求を妨げるようであれば、甘んじてその不幸を受けるだろう。多くの人々は、ささいなことで焦れたり怒ったりし、もっと有益に使えるはずのエネルギーを大量に無駄にしている。

人の失敗もさることながら、僕自身結構おっちょこちょいで、あれを割ったりこれを壊したりしている。子供の頃はそれで本当にしょっちゅう親に叱られたものだったが、もはやムリだと諦めた。自分を注意深い人間に変えるなんて大変過ぎる。そのエネルギーはもっと他のことに使った方がいいだろうし、実際そうだったと思っている。自分の失敗にいちいち凹まないし、他人の失敗も笑って済ませられるんだから。