スリランカ人

昨晩,いつものように映画(スタローンのDRIVEN.キャプテン翼並みにリアリティゼロ.ツッコミの練習ツールにどうぞ)でヒアリングの特訓をしてたら腹が減ったのでキッチンに下りていくと,ルームメートのスリランカ人が遅い晩飯を作っていた.
で,以前彼の部屋から聞こえてきた,インド音楽とレゲエとエレクトロニカをミックスしたような音楽がバチクールだったのを思い出したので,DRIVENは宇宙の彼方にバシルーラして(時代がバレる),話しかけてみた.
「CD貸してくへれん?」
彼は快諾してくれ,
「すぐCD-R焼いてやるから俺の部屋に来いよ,どれでも好きなのを選んでくれ」
というわけで彼の部屋で選びつつ焼きつつ話をした.そこで明らかになった彼の過去とは!?じゃじゃーん!!
彼はココに来る前はロシアのメディカルスクールで医者になるべく勉強していたんだが,2年ほど前に彼の弟が銃で撃たれて脊髄をやられ,寝たきりになってしまったんである.その弟の治療費や入院費で家庭の経済は悪化,彼は学業を続けるわけにはいかなくなった.
しかしその少し前に,どういう経緯でかは知らないがアメリカのグリーンカード(永住権)を獲得していたので,彼は単身アメリカに渡って複数の仕事をカケモチして故郷の家族に送金しているのである.
彼はそういう自分の過去を淡々と話した.他人の同情を買おうとしない,その話し方に感心した.彼と話していても絶望とか不幸とか,そういったものが全然感じられない.
人生は度重なる偶然と,それに対する自分の態度で決まる
そんな言葉を思い出してたら,CDが焼きあがった.彼はCD-Rを手渡しながら言った.
"Thank you."
ん?例を言うのは俺のほうだろ,と(多分アホみたいに口を開けて)ポカンとしてると,
「僕の国の文化に興味を持ってくれたわけだから」
くぅー!!爽やか吐息なみに爽やかだぜコノヤロウ!
とまあ,バチクール!なスリランカ人の話だったんである.
・・・
しかしいくらスリランカ人がクールなミント風味でも,今日の俺はせいぜい壁に投げつけられたトマトである.マジで誰かケンシロウ呼んでー.トキでもいいから.