エヴァン

ワタクシの二つ隣の部屋に住むルームメイト.32歳.背が高くてワタクシと同じ髪型で,年齢よりずっと若く見える.普段はテレビを見ながら,笑い声をアパート中に響かせるスーパーノイジーガイ.しかし恐ろしい程の雑学キングで,世界に幾つ国があるかなどということはモチロン,日本の野球やサッカーについてまで知っている.日曜の午後には庭のチェアーで恐ろしく「世界年代記」なんてバカ分厚い本を広げて読んでるのをよく見かけたし,この間は「ヘイ,ケン!今オレはお前と同じコトを勉強中だゼ!」彼が読んでる本を見てみれば,「植物学」という名のこれまた分厚い本であった.しかし今年に入って職を失くした彼は金に困っており,たまに他人の食い物を勝手に食ったりする.ワタクシもバナナを食われ,インスタントコーヒーは7割以上彼にやられた.カネがない分,大家さんと交渉して,毎週アパートの掃除やゴミ出しをやって,部屋代を月100ドルに負けてもらっていたりもした.そのお陰で我々はゴミや掃除の問題に悩まされることはなかったので,ありがたかったのだが,盗み食いは参った.
あと,彼はどうも何らかのメンタルプロブレムを抱えており,ワタクシの隣の部屋に住まう鉄鋼労働者のマークなんかは,彼を評して「LOONEY(イカレた,気の狂った)」なんて言ってたりした.
そんな"ジョブレス"エヴァンの両親はどちらも大学教授.現在父親の方はヨーロッパ,母親はサウスカロライナでそれぞれ教鞭を取っているらしいが,特に彼らの息子に対して経済的な援助を与えてはいなかったようである.