さて,昼飯はチャイニーズジャンクを頼んでみたものの,やはりてんこ盛り.こんなに食えるかアホ!と日本語で悪態を付きながら金を払い,ヒトクチ食って,吐き出しそーんなった.ワタクシはスパイシーチキンを頼んだのである.ソレなのに…


甘!!


ベトベトになるほど砂糖が放り込まれており,


申し訳程度にスパイシー


ああ〜,こんなんだったらネタの為にKYOTO COMBOにしときゃヨカツタ,と後悔してもアトノマツリ.半分食って捨てた.
で,こっからはチョットSERIOUSな話題.
id:KEN_NAITO:20040827でも紹介したハナシだが,この日敬虔なイスラム教徒であるカリールは,過ってブタを食ってしまったのであった.豚肉を食うコトについて,以前彼は
「もし豚肉を食ったら,オラたちの神様は,オラを二度と許さないあらぶ!」
といってクビを切るジェスチャーをしていたカリール.研究室の他の連中は笑っていたが,ワタクシはその後数日間(彼は研究室に姿を現さなかった),彼がどういう心境なのか少々気になっていたのだ.ので,今こうしてアトランタに一緒に行こうってくらいなんだからもうダイジョウブなんだろうと思って聞いてみるコトにした.あのさ,先週オマエがブタ食っちゃったってハナシは聞いてたんだけど,あの後どーしてたの?
「最悪の気分だったあらぶ.三日間断食してカラダを清めたあらぶ」
ああ〜,やっぱソレくらいはするんだ.
「ホントにキモチ悪くて吐き続けてたあらぶ.二日目も三日目も,何も食ってナカッタけど,やっぱり吐いたあらぶ」
ソーゼツだな….ソレにしても…
それにしても,あの時,研究室の連中はタダ笑ってるダケだった.アイツは今頃一体どんな状態なんだ?という問いを口にするヤツはダレもいなかった.普段の彼の言動からすれば,ソレがタダゴトではナイことくらい想像がつく.宗教を理解するコトはできないが,「生活の支柱となっている何か」を脅かされた人間がどう感じ,どう考えるかくらいを想像するのは難しくない.そして,彼の状態が示すとおり,ソレは滑稽な笑い話として処理できるレベルなんかじゃない.カリールは真剣だった.自分に間違ってブタを注文してしまった同僚は悪くない,ダレのせいでもない,と言っていた.それなのに…
皆,笑っていた.
カリールと,自分を含めた周りの反応にとんでもないギャップを感じた.ワタクシには宗教は理解できない.そして彼らには神を信じない人間は理解できない.ワタクシはカリールに対して「実はダレも気にしてなんかなかったんだけど」と言うべきだっただろうか?
…分からない.お互いを理解できない人間同士が共存するには,違いに無関心でいればいいのだろうか.ソレがダメなら,ドコまで理解して尊重すればいいのだろうか.「お互いのことを尊重して」なんて,言葉ではカンタンだが,どれほど可能だというのだろう.
…分からない.
ちょっとイライラした気分に侵されながら,チキンをゴミ箱に放り込み,車に向かったワタクシであった.…続く