無力感〜昨日の続き〜

ワタクシ,AYANOやよりこ氏の言うことに反対なワケじゃナイんだヨ.「がんばれ,負けるな!」という言葉だけで十分なコトもあるし,>「発信者の意図」と「受信者の感じ方」は違うのでさまざま>というのは,全く以って正しい.同じ言葉を使っても,それを受け取る人によって反応が全く異なるのは当たり前だし,相手が自分のことをどう考えているかにもよる.でも,簡単な激励の言葉ダケじゃどうしようもなさそうなとき,どうすればいいんだろうなと.だから,その人の状況にあった言葉を探してしまうのだけれど….
そもそも昨日の日記を書こうと思ったのは,yodakaさんの日記id:yodaka:20040914を読んで,ふと昔のコトを思い出したからなのダ.

id:KEN_NAITO:20040824に,事故で亡くなった友人のコトを書いた.当時その友人と付き合っていた女性もまた,ワタクシの友人であった.彼の死後しばらくの間,ワタクシは多分,いちばん彼女のハナシを聞いていた人間だろうと思う.

彼女は打ちのめされていた.
「あと三年すれば,二人とも医学部を卒業して,一緒に暮らせるようになると思ってたのに…」
しかしその相手は,彼女の目の前で,一瞬にして逝ってしまったのである.彼女はワタクシに会うたびに,必ず後追いを口にした.生きる気力を失くした者が人の命を救うことなどできるわけがない.彼女は医学部の授業にも全く出なくなっていた.

彼女に会うのは辛かった.愛する者を失った人間のキモチなど,ワタクシには想像も出来なかったからである.でも,放っておいたら本当に死んでしまいそうな気がした.といって,ワタクシは彼女の話を聞くばっかりで何も言えなかった.彼女の苦しみは想像を絶していた.「安らかな死」を,どうやって否定してよいのか分らなかった.あえてその苦しみに耐えなければならない理由を説明できる言葉なんか見付からなかった.
「でも,俺はお前に生きとって欲しいねん…」
結局こんな言葉しか出てこなかった.そして口にした瞬間,それが彼女をすり抜けて,消えていくのが目に見えるようだった.当たり前だ.彼女はワタクシのために生きているワケではなかったのだから.
「時が傷を癒すまでそっとしておくしかない」
と言う友人も居た.時が痛みを和らげるのは事実だと思うが,その「時」が過ぎ去ってくれるまで,彼女が持ち堪えられる保障はなかった.そうなる前に何とかしたかった.そしていつも何もできなかった.どうしようもない無力感が,ワタクシを襲った.

id:yodakaさんや5年前のワタクシのような立場に立たされた時,どうすればいいのだろう?ワタクシにはワカラナイ.ヒトによって態度が異なる,というのが妥当なところだろう.
だがワタクシは探したい.その時,その場で,その人の心に響く言葉を.
その人にだけ響けばいい.響いてくれるだけでいい.

そして,それが,難しい.