タマにゃ専門のハナシでも書いてみるか

ワタクシの専門は,実は分子生物とゆーよりも農学である.日本の大学院では農学の中でも「育種学」とゆー,作物の品種改良を専門とする研究室に所属している.来年度に無事に卒業できれば,農学博士となるんである.でまー遺伝子組み換えとかは,品種改良や研究の手段としてピコピコ使ってるワケでもある.そんなワタクシなので,
遺伝子組み換え作物とかってどーなんですか?」
という質問はショッチュウ受ける.どうって,別に,どーもこーもねーよ.と答えるワタクシであるが,
「危なかったりしないんですか?」
と続けられるので面倒ながら説明するハメになるんだが,何がどう危ないとか危なくないとかゆー説明はまどろっこしいのでココでは省く.ワタクシの意見としては,組み換え作物なんかより,タバコとかアルコールとかスギ花粉の方が余程タチが悪い,としておこう.「マウスが一生食べ続けても害がない」ことは,まあ間違いない.ヒトに対しての安全性は,タダイマこの「ゆないてっどすていつおぶあめりか」で実験中である(爆).ま,ワタクシは抵抗なく食べるけど.
ただ,修士課程の時の集中講義で,国の研究機関の上層部にいるシトがやって来たコトがあったが,その人の遺伝子組換え作物推進論には思いっきり違和感を感じた.
彼は遺伝子作物の安全性を力説し,現在消費者に遺伝子組換えが嫌われているのはマス=コミが騒ぎ立てたせいだ,我々が肩身の狭い思いをしているのは全部マス=コミが悪いんだぁ〜,とワレワレ学生諸君に訴えていたワケであるが,そんなわけねーじゃん,とワタクシは講義後のレポートで反論するコトにしたんである.ばばん!
ワタクシは,遺伝子組換えが消費者にウケない理由はマス=コミのせいなんかじゃなくて,「必要ないから」だと思っている.経済カンケイの本で読んだことがあるのだが,人間を慣れ親しんだものから新しいものへ乗り換えさせるには,大雑把に言って,変化後の利益が変化前の三倍は必要である,とゆーのである.とりあえずその数字が正しいとしてハナシを進めると,遺伝子組換え作物が従来の作物と同じ品質なら値段は1/3でなければならないし,同じ値段なら三倍の品質を保証しなければならない.また脳死移植やクローンなど,マス=コミに攻撃されても実用化してしまった技術は実際にある.それは,それらの技術を本当に必要としているヒトがいたからですヨ….
みたいなコトを書いたら,そのエライさんは凹んでしまったそうである.しかもそのエライさんは科研費を動かす重要なポストにいた人で,そんな人にワザワザ来てもらったのにオマエ何しよんねん,とあとで教授に呼び出されて叱られてみたり.
…続く