九月二十日・火曜日

午前九時半、車で筑波へ出発。予定としては、午後三時までに首都高に入り、午後五時までに常磐道に出てしまいたかった。しかし海老名のSAでトイレを済ましたのが午後三時過ぎ。横浜町田から首都高湾岸線に突入したのが三時半。この三十分が命取りであった。東京湾トンネルのあたりからドン詰まりとなったのである。

あー、車が動かない。そーこーしているウチにモンダイが発生した。




トイレである。


とはいえ、もうワタクシも27歳、一人前のオトナである。尿意の発生から一時間くらいは持ちこたえるコトくらいは朝飯前だ。何とかなるであろう。



一時間後…


やっとこさ首都高環状道路二号線に入ったトコロでしかなかったワタクシ。パーキングのある加平はいまだ遥か遠方である。ワタクシの中では既にサイレンが成り始めた。




膀胱警報!膀胱警報!


マズイ。コレは誠にマズイ。ワタクシの下腹部は既に尿意を超えて痛みを発し始めた。ぐう、あふぅ、ふう、ふぉえあぁ〜


更に三十分経過…。


現在地:四つ木。


パーキングは相変わらず遥か彼方である。その間にも生理反応は絶え間なく続く。こんなにも溜め込んでしまったコトは未だかつてなかったであろうコトは間違いないのだが、そんなの何の自慢にもならない。うー、あー、おー。切羽詰ったワタクシ、コレはもう最後の手段と思い…


空のペットボトルを握り締める。


「できるか、コレに…?」


迷う。量的には恐らく大丈夫だろう。しかし…。ワタクシはペットボトルのクチを眺めた。




絶望的な小ささである。


立った状態でならまだしも、車の運転席に座った状態でコボさずに注ぎ入れるコトなど…


「…ムリだ…オレにはできない…できないよ…」


力なくペットボトルを床に転がし、ハンドルにうなだれるワタクシ。そして27にもなったワタクシがそのあと取った行動は…




弱音を吐く


「もう泣きたい…」 
「アカンてもうマジで…」 
「助けてくれぇ〜」


カンペキに素でヒトリゴチておりました。その後もペットボトルを手に取るコト多数、いっそ車を停めて江戸川に放流してやろーかと思い詰めたコトも多数あったコトをココに記しておく。


ソレでもエライ!ワタクシ!!何とか加平のPAまで耐え切った。車を停めて、大慌てでトイレに駆け込みたいんだけど、ワタクシ…




走れない


もう、ね、溜まり過ぎててカラダが思うよーに動けないのよワタクシ。ヘンテコリンな歩き方になりながらトイレに入り、位置に付け、構え、放て。


隣のヒトが三人入れ替わるくらい長い、長い、長〜い(以下略)


結局、そんな苦難を乗り越えながら、到着まで九時間かかったドライブなのでした。ちゃんちゃん