モトカノのハナシ.その4

しかし,その後に13年飼っていた犬が死に,またその直ぐ後には[missing]で書いたように,父方の遺族vs母親との関係がどーしよーもなくなってしまい,イッペンに全てを失ったような感覚に捉われてしまったのである.


誰かに縋り付きたくて堪らなかったが,その頃までのワタクシには,困った時に相談できた相手というのはモトカノしかいなかった.だが彼女はやはり,ワタクシに手を差し伸べてはくれなかった.ワタクシは全くの孤独であるような感覚に捉われ,一度は人生も終わりかとさえ思ったほどだ.今思えば,我ながら呆れてしまうハナシだよマッタク.


でまあその後どーなったかは[missing]の後半に詳しいが,結果だけを単純に述べれば「ヒトリでも何とかなってしまった」と言うに尽きる.


あれほど「なくてはならぬ存在」と思っていたモトカノだったが,実際には「なくてもなった」ワケである.今ワタクシは全然,ジューブン,楽しい人生を送れてしまったのである.モトカノだけではない.家族構成も崩壊しちゃったし.いや,あんだけモメてたワリには,今はお袋も父方の伯母達も,ノホホンと悠長な日々を送っている.あの頃の重くて苦しくてどーしよーもない日々を思えば,何だか拍子抜けするしかナイよーな現実が,今,ココにある.


そしてモトカノとは,ほとんど連絡を取り合うこともなく,3年が経った.それが,もはやお互いがお互いを必要としていないことの,何よりの証拠であるハズだ.


そして実際にワタクシは,モトカノではなく,他に頼れる仲間を見つけていった.今誰かに何かを話したいと思うとき,その相手は彼女ではないし,もっと言えば,敢えて彼女に話したいことは何一つない.ワタクシとモトカノの間には共通の友人多いので,縁まで切ろうとは思わない.しかし,以前のように特別扱いする理由は,ドコにもない.


そりゃ,楽しかった.自分にとって何か特別なコトが起こるたびに,モトカノはそれを共有してくれたのだから.だがあの頃にお互いが交わした言葉は全て,今では残骸となっている.そう,「話せてよかった」という言葉も――



〜終われなかった.続きます〜