28日・火曜日

後輩を乗せて中央高速を走り,八王子へ向かう.学会の会場は東京農工大だが,宿は同期の実家である.同期も乗ってくれれば交通費は相当浮いたのだが,彼女はヒトアシ先に現地入りしてカレシとデーティングだそーである.ちっ.


さて,道中アチコチと寄り道をしたいところであったが天候は雨,というか前線と抜きつ抜かれつの激しいデッドヒートを繰り返すハメに.前線を抜き去って天気が回復した頃には既に勝沼,時刻は五時に近かった.むう.


それでもどっかに寄ってくべ,ってコトで地図をめくると,「不動大滝」ってのが目に入った.なになに,本道を豪壮な滝が取り囲む,って?カッコヨサゲじゃないか,ヨシではゴー!


とゆーワケで勝沼インターを降りて恐ろしく傾斜のキツい峠に入る.この先に目的の大滝不動があるはず・・・ってトコロで,地図を見ていた後輩が叫んだ.


「内藤さん,この地図だと途中で道がなくなってます!」


はあ?と間の抜けた声を出した途端に,目の前の道も消えた.行き止まり.そんなアホな,と地図をよく見てみると,大滝不動にアプローチできる道はココではないことが発覚.山の反対側から登るのが正しかったようだ.


・・・._| ̄|○


ええい,諦めるのはまだ早い.この近くには「矢立の杉」といって北斎や広重が描いた杉の木があるんだぞ,とりあえずソレを見れれば不満はない!


クルマをUターンさせ,五キロほど離れた交差点から再び峠道へ.早くしないと日が沈んでしまう.ギアをセコンドに入れてエンジンをブイブイ吹かし,ハンドルをキリキリ舞いさせながら登る.昇る.上って・・・行ったのに・・・




 この先冬季閉鎖


通行止とは・・・.途中には何のサインもなかったじゃないか・・・_| ̄|○


全てを諦めたワレワレは泣く泣く引き返し,以後は甲州街道をヒタスラ走って八王子に向かったのだった.