読破

そーそー,えらい前に読み終えてたのに忘れてた.


マインド―心の哲学

マインド―心の哲学


おおっ,と目を開かされる部分アリ,ソレはどーなん,と全然納得できない部分もアリ.人工知能の可能性についての否定的な見解はヒジョーに興味深かったのだけど,ヒュームへの反論については,全然ピンと来ない.ヒュームは「自己」なんて「感覚の束」でしかなく,それ以上の「何らかの本質的なもの」ではあり得ない,としたのだけれど,著者のサールは「感覚の束以上の何かとしての自己」を設定する必要があるという.なぜなら,自由意志,責任などといった一人称的な概念は人の心が人の心である上で必要不可欠な感覚で,それには形式的に感覚の束以上の自己を設定することが必要だという.ワタクシにしてみれば,自己が形式的なものなら自由意志や責任も形式的なものに過ぎず,だから(以下省略)・・・と思うのだけど.
でも物心二元論を廃し,心も自然生物学的現象の一部に過ぎないとする見解には激しく同意.物質的な世界と精神的な世界があるのではなく,個人的な世界や科学的な世界があるわけでもなく,ただ世界があるだけなのだ.