ヒトは・・・

今日も仏陀の言葉を続けてみよう.仏陀は「四つの真理(四諦)」として以下のように言う.


1.人生は全て苦しみである.
2.苦しみには原因がある.
3.原因を取り除けば苦しみは消える.
4.そして原因を取り除く方法がある.


あらゆるものにはそれを成り立たせるいくつもの原因があり,その原因を一つでも取り除けば,成り立っていた物・事は消滅する.苦しみもまた同様だということである.


人間は「必ず移り変わるもの」を「不変のもの」と錯覚し,無理な執着を作り出す.「人生は苦である」と断定するコトは必ずしも悲観的・厭世的な見方ではなく,「苦」そのものを直視しろ,心の表面でゴマカすよーなマネはするなということだ.一時の喜びや楽しみはいつかは消え失せ,そして必ず「苦しみ」がつきまとう.今の生活で言うなら,酒や遊びなどで一時逃れをせずに,ちゃんと「現実」を見すえて「苦」を正面から受け止め,その原因を見つめる態度が大切なのだ.今の苦しみは永遠のものではあり得ず,今の楽しみや喜びもまた一時的なものに過ぎない.そういう現象にとらわれない生活習慣を身に付けることが大切なのだということだ.


何かを失って苦しいのは,それが与えてくれる喜びを失うことだけが理由ではない.基本的には自尊心の問題,つまりエゴもまた原因となっていることが殆どである.


「我」がなければ,「我のもの」もない.ならば当然,「我の苦しみ」も存在しない.


そういう見方を人々が出来るなら,世の中の苦しみは大幅に減らすことができる.しかし・・・
そう.世の中には,それが出来ない人々の方が断然多いということだ.