恋愛と友情と

よりこ氏と話していて,気付いた話をひとつ.


ヒトの恋愛スタイルを聞いていて,ワタクシは違和感を感じることが多い.友達から恋人になることが多い,というヒトの話でさえ,友達から恋人に変わった途端に,関係(というかお互いの振る舞い)が飛躍的で非連続的な変化を遂げてしまう.


なぜだろうか.


友達関係の延長線上にある恋愛関係というのは,あっていいはずだと思っている.のだが,ヒトの話を聞く限りでは付き合い始めた途端に会う頻度が大幅に増えなきゃいけないとか,お互いのことを第一に考えてなくてはいけないとか,そんな話ばかりだ.どうしてそんな風に,ハッキリと線を引かなければならないのだろう.


ワタクシはどうも納得がいかない.ヒトは理想の恋愛関係というものを,「相手の望みを全部満たしてあげなきゃいけない⇔相手は,自分のニーズを全て満たしてくれなくてはいけない」という非常にアンビバレントな関係として捉えているのではないだろうか.そんな状態は,初めのうちなら成立するかも知れないが,いつまでも維持するなど不可能に決まっている.そしてその理想状態が崩れるときは,公平には崩れない.どちらか一方が満足で,もう一方には不満が溜まるという状態に向かっていく.


恋愛関係は,多分「お互いにとってお互いがいちばん大切な存在であること」と言ってもいいであろう(付き合い始めにおいては,いちばんじゃなくても良いかもしれない).しかし,「相手にとっていちばん大切な人間であること」は,「相手の望みを全部満たしてあげること」と同義ではない.無論,「自分にとっていちばん大切な人」は,「私の望みを全部満たしてくれる人」というわけでもない.特別扱いしてあげなきゃいけない,特別扱いしてくれなきゃイヤだ,そういう恋愛は早々に卒業して,力の抜いた恋愛をできることは,多分,長続きのコツだと思ったのであった.


付き合ってるだけで十分に特別なのだと,人は思えないのだろうか.


それでもやっぱり,求めてしまうものなのだろうか.