のんびり

何をしに茨城県常陸大宮なんて辺鄙なところに来たかといえば、後輩の実験に放射線が必要だからである(そう、ここは放射線施設)。しかし放射線の照射なんて作業自体は簡単極まりなく、照射室に入って材料を置いて、外からスイッチを入れるだけ。あとはヒマヒマなんである。もっとも、今日は午後から研究内容についてプレゼンしてくれと言われてたのだが、それも既に何度も話したことであるし、余裕、余裕。昼休みにはパートのおばちゃんや職員の皆様と一緒に全力で卓球して、夕方にはキャッチボールをして時間をつぶす。それ以外は持ってきた本を読む。ああ、のどか。

放射線を扱う施設だけあって、人里離れた山の合間にあって、周囲には山と、あとは施設が有する田んぼと畑。つまり、緑。夕日も美しい。夜には天の川も見える。道路にはしょっちゅう轢き殺された狸が転がっている。こんなところで僕は修士の二年間を過ごしたので、読書も進んだわけである。

懐かしい場所である。

だが、将来的に戻って来たいかと言われれば、それは別の話だ。