読破
ベルクソン~人は過去の奴隷なのだろうか (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 金森修
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2003/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いちばん面白かったのは「現在において,人は何も知覚してはいない」という命題.そんな馬鹿な・・・今僕は自分のPCを見ているし,キーボードを叩いている.これは今僕が,現在を近くしている何よりの証拠じゃないのか・・・というのが普通の反応.でも,ベルクソンは言う.
「現在において,人は過去の記憶を確認しているだけである」
うわっ.そうか.いつも繰り返し見てるものって確かに僕らはちゃんと見ない.変化があっても,気付かないことってよくある.いつも通る道にあるお店が,いつの間にか潰れていたり.いつも見ているのに,見えていない.単に,過去の記憶を再現して「見たつもりになっている」.まさに,「現在は,押し寄せる過去の中で溺れかかっている」・・・
だが,生命の力は「変化」にこそある.絶えず変化し続ける生命を体現することこそが生きるということなのだ.「同じ」ではダメなのだよ!
うむむ,道元や西田幾多郎とも通じるところがある気がする.