つくばへごー5

三日目,金曜日.朝食をとってチェックアウトを済ませ,河瀬さんに挨拶をし,再び放射線育種場へ.放射線育種場に着くと森田さんが,今度はフィールドの方を案内してくれる.半径100メートル,中心にはγ線の宣言であるコバルト60の入った鉛の装置.その線原から同心円上に色んな作物や樹木が植えられている.放射線で作物に突然変異を起こし,何か有用な形質を作り出そうというわけだ.

そうこうしている間に10時半.放育場の朝のお茶の時間である.僕がここで研究していた遥か以前からパートをしているオバサマ方も,まだ大半が残っている.土産も持ってきたし,ワイワイガヤガヤとお喋りである.皆さん後輩を見て「若いわねぇ〜,若いわねぇ〜」を連発する.確かに後輩の外見がかなりキャピキャピしているのと,話し方がかなりキャピキャピしているのとで,実年齢よりかなり下に見える.でもね・・・


「そーは言っても,皆さん,コイツは僕が6年前に初めてここにやって来たときと同じ歳なんですよ!?」


と言った僕が,笑われたのは何故だろうか.深くは考えないことにしよう.


そして再び時は流れて12時.お昼休みである.そしてお昼休みといえば,卓球なのである.今度は業務課のオバサマ達が相手だ.みんなもう40代,50代とかなりの歳なのだが,馬鹿にしてはいけない.20代でここに務め始めてから,みんなずっと卓球をし続けてきたわけで,だからオバサマ方の卓球歴は,僕の人生より長いのだ.本気でやってもそうそう勝てない.中には卓球歴50年なんて人もいる.


「おい,モンデン,このオバサマの卓球歴たるや,お前の人生の二倍を越える歴史と伝統があるんやぞ」


とか何とかで,とりあえず一同から爆笑を取ることには成功したが,勝負にはコテンパンにやられた.
卓球で汗を流した後は・・・さあ,昼飯じゃ.