2007-06-02 読破 無限論の教室 (講談社現代新書)作者: 野矢茂樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/09/18メディア: 新書購入: 24人 クリック: 198回この商品を含むブログ (169件) を見る野矢茂樹の文章は本当に面白いと思う.本書は半ば小説である.学生が2人しかいない哲学講義で,「僕」と「タカムラさん」が「タジマ先生」の研究室で,カントールの集合論に始まる無限論の歴史を学ぶ.しかしこの「タジマ先生」のキャラが曲者で,それに対して「僕」が心の中でイチイチ入れるツッコミのセンスも秀逸.ニヤニヤしながら読み進めていくうちに,無限集合論やラッセルのパラドックスやブラウアーの直観主義,ヒルベルトの形式主義&ヒルベルト・プログラム,更にはゲーデルの不完全性定理まで押えられてしまうという,相当にオススメの書である.