時代を読もうとしてもムダ

村上龍が,自身の発行しているメルマガでいいことを言ってたので引用.

僕が高校の頃、石油ショックがあったんです。その時に、例えば東京外大のアラビア語科の競争率が、それまで2倍ちょっとだったのが、一挙に20倍位になったんです。世界的に石油が不足したり値上がりしたりするので、アラビア語をやっておけば有利なんじゃないかということで増えたわけですが、その後、結局、石油はまだ充分にあって、アラビア語をやったからといって別に有利でもなんでもないということになった。


(中略)例えば『アラビアのロレンス』を観てアラブに興味を持って、もうアラブが好きで好きでしょうがないからアラビア語を勉強したという人は、石油ショックが終わってアラビア語が関係なくなっても、非常に充実した人生を送れると思うんですよ。


「これがあると有利ではないか」というようなことで、自分のスキルや将来を選んでしまうと、時代が変わったり、ある技術とか知識が陳腐化したりすると、結局は役に立たない。だから僕はちょっと前に、自分が非常に興味のあること、もう2日ぐらい徹夜しても飽きないことに出会うことが一番大事じゃないかと(後略)

もう消えちゃったけど,「バイオ批判」への応答としてこれ以上のものはないと思われ(元記事の内容は,大学の4年間バイオをやってみたけど,他の分野で応用出来るような知識も技術も何も身に付いてねえ!就職に有利なものも何もねえ!何だよ!バイオなんてカッコ良さげな名前に釣られて,4年間ムダにしただけじゃん!という感じ.まさにオイルショックの際にアラビア語を学ぼうとした人たちと同類ですな).