進化ってさぁ

 生物の進化について,多くの人は因果関係を逆にして捉えちゃってるんだよね.例えば「キリンのクビが長いのは,高い木の葉っぱを食べるためなんですよー」というような.でも,別にキリンは最初から木の葉を食べたかったわけではないし,食べようと努力していたわけでもない.ってゆーか,首の長さが変化するには基本的に遺伝情報が書き換わらなきゃいけないんだけど,本人が「伸びたーい」って思うだけでそんなに都合よく遺伝子なんて変わるわけねえだろっ
 だからキリンの意志とは全く関係なく,でもある日ふと気づいたら,「いつの間にかクビが伸びていた」ってわけ.で,伸びてしまった以上は仕方がない,地面に生えてる草よりも,木に付いてる葉っぱの方が食べやすいに決まってるってわけで,キリンさんは木の葉を食べるようになりました,というかならざるを得ませんでした.で,キリンさんにとって都合の良いことに,キリンさん以外には木の葉っぱを食べるような動物は他に存在しなかったのです.だから食べ物に関しては他の動物との競争が起こらず,今まで絶滅することなく生き残ってきたわけです.ちなみに当然ですが,もし最初のキリンが木が一本も生えてない草原で生まれてたら,あっという間に滅んでいたことになります.
 これが進化の基本です.鳥の翼は飛ぶためにあるんじゃありません.いつの間にやら前足が翼のような形になってしまって,そうなった以上はもう飛ぶしかなくなったってわけ.で,大空というのはやっぱり他の動物が殆どいない環境だったので,鳥さんは現在もは大いに栄えております.